ライセンスはどうなっているの?
オープンソースライセンスとは
すべての人に向けて公開されているオープンソースであれば世界中の誰もが自由にソフトウェアを使用し、改変し、再頒布できます。ただし、そこに一切ルールがないという意味ではなく、守るべきルールが存在しています。そのルールのことを、オープンソースライセンスといいます。オープンソースライセンスに含まれることが多い条件のひとつが開発者によるサポートの件です。オープンソースには開発者による保証がないのが一般的です。世界中の人が自由に使用できるものだけに、開発者がすべての利用者をサポートすることは難しいからです。オープンソースを使用するエンジニアは、サポートなしでの使用を最初に認識しておく必要があります。不具合を修正したり、新たな機能を追加したりした場合には、その内容についてのフィードバックを求められることもあります。ソフトウェアをブラッシュアップしていきたいという開発者の強い意向が、オープンソースライセンスの内容に反映されているのです。
オープンソースライセンスとしてよく知られているのが、GNU General Public License(GPL)です。GPLのオープンソースで開発されたソフトウェアは、必ずGPLで再頒布しなければなりません。そうすることで、誰かが改良したソフトウェアが非公開の形となって提供されてしまう事態を防ぐことができます。オープンソースを誰もが平等かつ自由に使用するためには、開発者の意向を反映させたライセンスが不可欠です。ライセンスの内容は開発者によって異なっており、少なくとも1,000種類以上のライセンスが存在しています。それだけの数があると、オープンソースを利用する側にとっては負担が増えます。ライセンスの内容を丁寧に確認しようと思うと、確認作業だけでも多くの時間が取られてしまうでしょう。そのような問題をクリアするため、Open Source Initiative (OSI)はライセンスに認定を与えています。これにより、認定を受けたオープンソースライセンスの数は80種類程度に抑制されています。
ライセンス契約に注意
オープンソースを使用する前には、ライセンスの内容によく注意を払う必要があります。ライセンス契約に違反すると、最悪の場合訴訟問題にまで発展してしまう可能性があります。
例えば、GPLやBSD Licence、MPLなどの代表的なライセンスは、再頒布する際に著作権を表示しなければなりません。ライセンスの内容が更新されていないかどうかチェックすることも忘れないようにしましょう。内容が大幅に変更されていることに気づけないと、知らず知らずのうちにライセンス契約違反となってしまう可能性があります。